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アベノミクスの失敗が「解雇の自由化」粉砕の好機!

 ドイツ連邦銀行(中央銀行)は、日本政府の経済政策=「アベノミクス」による景気押し上げ効果が「わらについた火」のように、短期間で消え去るとの批判的分析を開示しました。その理由として挙げているのは、景気刺激策が将来の需要を先取りしていること、刺激策の終了が消費税増税と重なること、日本の労組の力が弱く必要な賃上げが出来るかは疑問、と指摘している。

 たしかに「アベノミクス」は、多額の日銀の資金供給による円安効果で、一時的に輸出が伸びるが、デフレによる日本の市場の縮小は続いていること、安倍政権の社会保障の切り下げで将来への不安が個人消費を抑制すること、安倍政権の労働分野の規制緩和で、非正規労働の増加、長時間労働の増加で労働者の消費が伸びないこと、新しい商品開発、新しい産業が育成出来ていないこと、近い将来のTPP参加で農業が大打撃をうけることなどで、国民経済の縮小再生産は確実に継続する。

 とりわけ重要なのが消費税増税で、これが日本経済を再び「失われた10年」の停滞・縮小に向かわせることは避けられないと見られる。とくに新自由主義で高利潤のうま味を味わった日本の財界が、労組との協調による春闘=所得政策による賃上げ政策をとる事が難しいことから「アベノミクス」は来年にも失敗し、安倍政権が窮地に陥る可能性がある。

 安倍政権の弱点は、あいも変わらず公共事業による土木資本主義を続けていることである。航空機や地熱発電や多様な先端産業の育成による雇用の創出・国内市場の拡大の産業政策が欠けている事である。ただ海外に生産拠点を移すだけなら雇用の空洞化が続くだけなのである。

 日本資本主義の抱える問題は、規制緩和による財界の野蛮な搾取で個人消費が縮小を続けている事であり、これを安倍政権が解決できない以上「アベノミクス」は来年後半にも失敗が明らかとなるであろう。安倍政権の「解雇の自由化」や派遣労働の規制緩和による野蛮な搾取化は「アベノミクス」の失敗が明らかになった時が粉砕するチャンスとなる。

 もし安倍政権が解雇の自由化を急げば、経済の破綻はさらに早まるであろう。賃上げによる個人消費の継続的拡大が国内での設備投資を引き出すのであり、絶対にその逆ではない。安倍政権の投資減税の政策は誤りなのである。

 日本の先進的労働者は、解雇の自由化や限定正社員制度や非正規労働の拡大などの野蛮な搾取の拡大を断固阻止し、賃上げを要求して闘わねばならない。
政府は産業政策を出して雇用を創出せよ!

 安倍政権は、「労働市場の流動化」の方策を次々検討している。限定正社員の普及策・解雇の金銭解決制度の導入・ホワイトカラー残業代ゼロ法案・解雇の自由化と次々に出てくる。

 労働市場を流動化すると、労働条件が悪化を続け、反失業者の膨大な層が生まれる事になる。つまりは賃下げを国家規模で進めるための施策なのである。ところが政府の経済政策は、いつもながらの公共事業の土木資本主義であり、新産業政策が無い、それゆえ雇用も増えず、経済が縮小再生産になっているのである。

 政府の「労働市場の流動化」政策を見ていると、日本がヨーロッパ型のワークシェアリングではなく、アメリカ型の野蛮な資本主義を選択した事が解るのである。すでにIBM等はアメリカ型の解雇の自由化を先取り実践している。

 これでは個人消費は縮小を続け、インフレで物価が上がってもデフレの基調には代わりが無い。TPP参加もあって国民経済は縮小を続ける事になる。大企業は海外進出で豊かになっても、国民経済は疲弊を続ける事になる。日本政府は対米自立して航空機産業、人口衛星事業、地熱発電事業など先端産業の育成(=雇用創出)が必要だ。リストラだけでは国民経済が縮小するばかりなのだ。

 解雇の自由化と残業代ゼロのアメリカでは過労死する労働者はいない、しかし過労死と過労自殺が増え続けている日本で、解雇の自由化と残業代ゼロを進める事がどのような結果をもたらすかは自明である。労働条件の切り下げと、労働力の大規模な喰い潰しが始まるであろ事は明らかだ。日本に必要なのは産業の育成による雇用創出(=内需の拡大)なのだ。

 本来社会的規制とは資本家階級の共通利益の為に生まれたのであるが、強欲な経営者の目には社会的規制が利潤追求の障害に映ずるのである。増え続けるブラック企業は、社会的規制を無視する企業の蔑称であるが、このブラック企業が増え続けるのは、「政府の規制緩和政策の先取り」との意識が経営者側にある故なのである。

 新産業育成策の無い、規制緩和・自由化・民営化の政策が、今日の日本資本主義の経済危機の元凶なのであるが、それなのにさらに「労働市場の自由化」を進めるのは理解しがたいのである。強欲な経営者は、資本主義の拡大再生産のためには産業政策と、節度ある分配率が不可欠だと知るべきであろう。
新産業の育成には豊かな内需の育成が必要なのである、それなしに将来の日本の発展は無い事を知るべきだ。
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