問 私は今の会社に勤めて5年になりますが、職場では私が一番古いので社長に皆の苦情を代表して伝えるようにしていました。ところが最近社長に「不満があるなら辞めろ」と言われ、退職願いを書くように言われ困っています。私は生活があるので今の職場で働き続けたいと思っています。どうすればよいのでしょうか?
答 社長の「辞めろ」と言うのは、退職勧奨のように思えます。解雇であるなら「解雇通知書」を渡すはずです。あなたはまず退職勧奨なのか? それとも解雇なのか社長に確認する必要があります(ICレコーダ―で録音すること)。もし退職勧奨で有れば「私は辞めるつもりはありません」と断ればよいです。退職願を書く必要はありません。
もし解雇だというなら「解雇理由証明書」を出すよう求めて下さい。求められると使用者は解雇の理由を記載した証明書を交付する義務があります。(労基法22条1項)
会社は皆の不満をあなたが組織していると思っているのでしょう。気に食わぬ労働者を会社が安上がりに辞めさせるため最近は解雇なのか?退職勧奨なのか? 解らないようにする手口が増えています。
ですから「辞めろ」と言われたら、まず解雇なのか? それとも退職勧奨なのかをはっきりさせる事が必要です。これを曖昧にすると裁判で闘うにしても解雇事案として解雇権の濫用として闘うのと、退職勧奨による合意解約が成立しているかどうかで争うのとは大違いなのです。
社長に「辞めろ」と言われたということは、あなたが排除の標的になったということです。貴方が皆の不満を代表した事が「トラの尾」を踏んだ事になったということです。社長があなたを危険人物と判断したのです。従ってあなたはユニオンに加入して雇用を守るようにした方がいいでしょう。
この場合気を付けなければならないのは証拠も集めない内に団体交渉を申し入れるダメ組合が多いことです。団体交渉で証拠もないのに解雇を撤回する例はほとんどないので、最悪の事態(裁判)を考えて証拠集めにまず全力を挙げる事が重要です。
組合が団体交渉を申し入れたり、弁護士が解雇理由を書面で質問したりすると、会社が当初の理由と事なる解雇理由を後付けで変更してくる場合がよくあります。ですから初期段階の解雇理由を録音しておくことが重要となります。
社長に「辞めろ」と言われたら、まずここまでの事態を考えて信頼できるユニオンに加入し指導を受ける事が最も重要なことのです。
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