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ウクライナ問題は「冷戦の再来」ではなくブロック化!

 成長した細胞にストレスを加えると元の万能細胞に後退することは、まだ科学的に証明されたとは言えないようである。しかし社会科学の世界では後退はよく見られる。これは階級闘争の世界では反動的階級あるいは旧勢力の巻き返しが成功する場合が多々あるからである。労働者が立ちあがってイラン革命が成功したが、その王制打倒の革命の成果はイスラム勢力が奪い取ったのである。現在のイランは宗教勢力の政権である。つまり歴史は時に後退する場合もある。逆に社会革命が外の勢力の手で行われる例もある。朝鮮の李王朝は500年続いたが、日本の占領施策で朝鮮半島の奴隷制度に終止符が打れた。

 日本における地主階級の消滅はアメリカ占領軍の「戦後改革」として行われた。第2次大戦後の東欧の社会主義革命はソ連による対外戦争の形で行われた。つまり歴史はスムーズに発展するのではなくらせん状やジグザグに、かつ多様に発展するのである。プーチン・ロシア大統領がNATOの東方拡大や、ロシアを敵とするミサイル防衛に反発するのは当然なのである。彼は旧ソ連のKGBの幹部であった。エリツイン時代に欧米が急進的資本主義化を押し付け、その結果ロシアは金融破綻し、経済基盤を破壊されて、核兵器の解体を受け入れさせられた陰謀をプーチンほどの人物なら見抜いている。

 ところがプーチンの欧米に対する反感が表面化した時、アメリカの当時の国防長官のゲーツやマケイン上院議員はプーチンの発言に愕然としたという。進歩した社会は後退しないと思っているとそうなる。欧米がウクライナの野党勢力に資金供給し、武装クーデターをやらせた時、彼らはプーチンの怒りを計算していなかったのである。プーチンにしてみれば、NATOがコソボでやったことをクリミアで仕返しした当然のことに過ぎないのだが、不思議な事にNATOや欧米の指導者には極めて不当な事に見えるのである。世界はすでにアメリカの一極支配から多極化の時代に入っており、世界市場のブロック化は時代の趨勢である。

 ドル圏・ユーロ圏は武装クーデターでウクライナを勢力圏に獲得しようとし、ロシアがそれに反発した、これが今ウクライナで起きていることである。一つの市場がいくつかのブロックに分かれることも歴史的後退というべきである。これはマスコミに言われている「冷戦の再来」ではない、経済のブロック化と見るべきなのである。日本がTPP加入を目指しているのもドル圏に加入する事である。ウクライナは西側(=ドル圏・ユーロ圏)に入ろうとしている。中国はアジアに元圏を作ろうと拡張主義をやっているのだ。重要なことは世界経済のブロック化は世界貿易の縮小を招き大経済恐慌から世界大戦を招く可能性があることだ。

 歴史は繰り返すという言葉は、歴史がらせん状に発展するのでそう見えるのである。アメリカの相対的衰退が、また世界経済の不均等発展が多極化を招き、軍事力による勢力圏(国境)の書き換えを必然とする。つまり社会的後退と見える中に矛盾の激化と歴史打開力を持つ戦争の火種を含んでいるのである。従って各国は軍事的備えをしなければならない。

 後退と見えることは実は大きな発展を含んでいる。それを証明するのは科学の世界では科学実験であり、社会科学の世界では階級闘争であり、戦争なのである。戦争には歴史打開力があり、それゆえ人類の歴史は戦争の歴史なのである。階級社会が続く限り戦争は必然であり、それは観念的に平和を求めようが、それと関係なく戦争は起きるのである。したがって憲法9条に関係なく軍事的備えは万全でなければならないのである。
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