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残業代ゼロ法制は日本資本主義の終焉を招く!

 「労働時間の改革で成果重視へ舵を」というのが政府の産業競争力会議の残業代ゼロ法制導入のスローガンである。「創造性や企画力が問われる仕事は、成果が労働時間に比例するわけではない。賃金も時間に応じて決めるのは合理的ではない」これが8時間労働制を破壊しようとしている連中の言い分である。

 経営者たちの限度も容赦もない労働時間の延長への衝動は限りがない。経営者たちの強欲が「規制緩和」の要求となり、8時間労働制に風穴を開けようとしている。この労働時間の絶対的延長には越えられぬ限界がある。不払い労働の限界は24時間を超えられないのであり、長時間労働は労働者を肉体的・精神的限界まで消耗させる。過労死や過労自殺の増加は避けられない。これはマルクスが指摘した労働力の食い潰しに他ならない。

 経団連の榊原新会長は残業代ゼロ法制について「全労働者の10%ぐらいは適用を受けられるよう、対象、職種を広げた労働制度にして欲しい」(6月9日発言)との見解を表明した。榊原は産業競争力会議のメンバーで、改めて労働時間法制の規制緩和に踏み込むよう提言すると語っている。

 全労働者の10%と言えば非正規が40%近くになっているのだから、正社員の6人に一人が残業代ゼロの対象だというのである。日本は世界に稀に見る少子化社会になっている。野蛮な搾取が世代の再生産までも難しくしているのである。労働法制の規制緩和が「労働時間の弾力化」と称して進められ、その結果過労死・過労自殺が増え始めた。経済的理由で子供を作れない労働者が増えているのである。

 労働力が足りなければ外国人労働者を増やせばよい、というのが財界の考えである。つまり彼らは労働者の過労死や過労自殺が増えても企業の利益が増えればよいと考えている。グローバルリズムがもたらしたものは強欲の資本主義であり、労働者の労働を強制労働に変え、職場をパワハラ(=精神的暴力)の蔓延する奴隷労働に変えた。

 経団連は残業代ゼロ法制が競争力を強化するかのように言う。しかしこれは間違いである。労働時間の絶対的延長を企業が目的にするのは競争力を弱体化させるのである。本来の日本企業は科学技術の生産過程への応用で生産力を飛躍的に高めて、強い競争力を持つようになった。つまり企業の競争力は相対的剰余価値の生産によって飛躍的に高まるのである。

 日本企業が労働時間の絶対的延長を利潤拡大の手法にして以来、日本企業は研究所すらリストラの対象にし、安い労働力を求めて海外に進出し、大事な技術を中国や韓国にパクられて、世界市場を奪われることになった。これらは日本経団連の経済学的思考力の低下を象徴している。残業代ゼロ法制がもたらすものは日本社会の奴隷労働化であり、長時間労働による労働力の喰い潰しであり、日本企業の競争力の喪失であることは明らかだ。

 強欲な経営者たちの長時間労働への渇望が、日本資本主義を衰退させることを指摘しなければならない。日本の経営者たちはドイツの経営者に学び、マルクスの「資本論」を学習した方がいい。相対的剰余価値の獲得を追求せず、労働時間の絶対的延長に狂奔する様は愚かという他ないのである。
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