惨敗の09春闘
3月18日の自動車・電機など大手労組の集中回答の結果は賃上げは軒並みゼロ回答で、定期昇給の一時凍結が続出し、09春闘は未曽有の惨敗となった。
大手労組の目指した「内需拡大のための賃上げ」は「雇用維持」の名にいとも簡単に投げ捨てられた。
世界同時不況の中で企業業績が悪化する中での春闘は、企業内労組には初めから期待されていなかったのである。労使協調で企業経営を重視する限り、家畜労組はなすすべがない。
高い組合費を徴収しながら、元より組合員の生活よりも会社の経営を思いやり、ストライキを打たない家畜労組には有額回答を引き出すことはできないのである。
不況の中で賃金収入が低下し、組合員の生活が危機であっても、非正規社員の解雇を傍観し、賃上げも一時金もゼロ回答で妥結するのは彼らが会社の手先であり、買収されて家畜のように飼い慣らされているからである。
一時金の回答も昨年より大幅に低下したのだから日本の個人消費の低下は避けられない。
昨年の秋からすでに非正規社員20万人近くが解雇されている。会社に言いなりの企業内労組には、たとえ賃上げを自粛したとしても雇用を守れるわけがない。個人消費の今後の縮小が国内市場に依存する企業にとっては深刻な問題であり、日本経済は負のスパイラルに入らざるを得ない。
ベアゼロ回答の上に、上がって当然の定期昇給すら見合わせるということは、同年齢層の労働者の賃金が昨年より低下することを意味している。もともと定昇とは原資を定年退職者の賃金部分で行うものであり、企業は定昇の原資は必要としないのである。つまりこのことは賃上げを要求した春闘で逆に賃下げを受け入れたに等しいのであり、家畜化した企業内労組の無力さを露呈したものと言うしかないのである。家畜労組の裏切りは明らかである。
大企業は過去5年間で約20兆円も利益余剰金をため込んだのに、不況になっても、その内部留保された資金は1円も使わずに無慈悲に解雇するのであり、このような企業の悪辣さを見てきた労働者が一生懸命に働くわけがない、労働意欲の低下は避けられない。
大企業経営者は、目先のわずかな利益に目がくらんで、失ってはならないものを失っている。日本の労働者の企業に対する忠誠心と高い勤労意欲はすでに過去のことになりつつある。
企業収益が史上最高と言われた昨年の春闘でも賃金はわずかしか上昇しなかったのである。大企業だけに利益が蓄積され、不況となればベアゼロ、賃下げで、巨額の蓄積した利益余剰金は国内経済にとって死に金となる現状では日本経済の再生はおぼつかない。
資金が回転せず大企業と大金持ちの懐の金だけ増え続けるのでは国民経済が豊かになるわけがないではないか! 労働者は会社に言いなりの家畜労組に見切りをつけて、リストラに備えるためにも新世紀ユニオンへの加入(1人でも加入できます)しておくべきである。
本物の労組を育成せずして労働者の未来は開けないのである。日本の企業内労組の現状は、労働組合といっても名ばかりで、実際にはストも闘えないほどに飼い慣らされている。本物の労組を育成していくべきである。
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