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解雇裁判における「和解による解決金」の決め方

 労働裁判の解決金の金額は何によってきまるのか?という質問をよく受けますので書くことにします。

 最近新世紀ユニオンでは、労働裁判の3件の和解を経験しました。1件はうつ病で休職したが復職させなかった事案です。解決金は約20カ月分でした。2件目は同じくパワハラによる休職の事案で解決金は40数か月分でした。双方とも退職金は別です。(1)つまり同じパワハラ事案でも労災認定がされたか、されないかで慰謝料分の解決金の額が大きく違ってきます。

 3件目の和解は懲戒解雇事案ですが、この人の勤続が27年と長い場合でしたので解決金の請求金額は普通の解決金にプラス2年分を上積みしました。(2)つまり解雇事案の解決金には勤続年数(=会社に貢献した年数)の違いが大きく反映します。

 一般的にまとめると解決金の高低差は第一に解雇者の賃金額の差が反映します。第2に裁判で証拠が多い勝利的和解か?それとも敗北的和解か?で解決金に大きな違いが出ます。第3に被告会社の支払い能力が解決金の額に大きく影響します。

 つまり解雇裁判で裁判官が和解提案した時、原告側として請求金額をいくらにするかで請求根拠が要ります。その時に重要なのはその事案の特殊性から請求根拠を何処に求めるかを検討しておく必要があります。労災認定されているか?勤続が長いか?高齢で再就職が難しいか?裁判が勝利確実か?解雇のやり方が悪辣であるか?など解決金の原告側請求金額の根拠をあらかじめ検討しておく必要があります。

 これを検討しておかないと裁判官は通常の経験から「相場の金額」を提示する事になります。ユニオンとしてはなるべく解決金を増やすようにする為、原告本人が請求根拠を裁判官に説明できるようにして置くことが重要です。

 裁判の和解の場に、うつ病の後遺症を持つ原告本人が出て、パワハラを受けた被害者としての考えを涙ながらに裁判官に話して解決金がアップした例もあります。和解の最後の場面で原告本人が出て、いかに酷い扱いを受けたかを裁判官に説明する事は、解決金をアップする上で重要なことです。裁判官は原告の気持ちは必ず聞いてくれます。
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