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新世紀ユニオン発行のニュース

本人申立の労動審判を闘った経験から!

 新世紀ユニオンでは最近数件の労動審判を本人申立で闘った。それをまとめるとおよそ以下のような結果である。

●勤続1年の営業職の人への解雇事案、本人が審判を希望、約9カ月分200万円で和解。
●介護関係の人の一時留保した退職届の受理をめぐる事案3ケ月分75万円で和解。
●賃下げ・定年後の雇用延長を巡る事案572万円で和解。
●勤続4カ月半のパートの違法解雇事案、約5カ月分60万円で和解。
●解雇予告金の一部と残業代の請求事案、和解が成立せず労動審判法24条に基づく訴訟への移行。

 このうち賃下げと雇用延長を巡る事案は裁判で闘う予定で有ったが、弁護士がペイしないのではないか、というので労動審判の本人申立で闘ったもの、相手方会社に意外と支払い能力が高く、高額の和解となった。

 一般的に労動審判は相手方にブラック企業が多く、残業代などでは未払い賃金の時効が2年と短いので裁判では弁護士の着手金30万円と印紙代やコピー代などでペイしない例が多い。残業代と同額の付加金を請求しても和解では考慮されないし、請求金額が2年間では少なく、労動審判の本人申立でしかやれない。つまりこれまでは泣き寝入りしてきた事案と言える。

 24条に基づく審判から裁判に移行した事案は、解雇予告金の残額16万円と残業代が約60万円の事案である。これに相手方が何を思ったか「30万円を横領した」として刑事事件にしてきたため労動審判での和解が成立しなかった。

 当初からストーカーのように会長が「2人で話し合おう」と家に押し掛けたり、電話、メールでまとわりつき、訴訟への移行が決まっても「2人で話し合おう」と執拗に電話をかけてきた。つまり24条での裁判移行は変質的経営者の嫌がらせである。この事案は請求金額が少ないので裁判を闘ってもペイしない可能性の強い特殊な例である。

 これらの労動審判の本人申立は、本人が弁護士の着手金が用意できない場合か、もしくは訴訟がペイしない為に本人申立したものである。重要な事はパートであっても、勤続が短くても、請求金額が少なくても諦めなくてもよくなったことである。しかし相手がブラック企業の場合、嫌がらせでお金のかかる裁判を強要できる余地がある事は遺憾なことである。

 裁判所には嫌がらせ目的で、労動審判法24条で審判から裁判に移行する場合、例外的に原告救済の立場から慰謝料も認めるようお願いしたい。そうしなければブラック企業が今以上にのさばるようになるであろう。
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