新世紀ユニオン発行のニュース

私の経験から~ 面談による労働相談を考えている方へ!

 私が新世紀ユニオンに加入したのは数年前のことですが、その時の労働相談では
モラルハラスメントで闘うにはどうすればいいのかについて委員長にお尋ねしました。ところが何を聞いても委員長の答えは「難しい!」ということで話が進まず終わってしまったのです。

 実はこの時私は、間違った知識による思い込みが強くて、何が難しいのかについてよく理解しようとせず、納得できませんでした。これは即ち、相談する側の知識が片寄っていたり、間違っていたりすると、せっかく面談による労働相談に来ても、自分の考えに固執してしまい、その結果「闘いにはならない」と言われても、そのことが理解できないために話が噛み合わず、結局のところ闘いに向けた次のステップへ進んでいかない…ということを意味しています。ですから、これから面談による労働相談を考えている方は、このような事にならないように注意してください。

 労働相談をする場合、会社側がやってきた事実の何が悪いのかをはっきりさせていく必要があります。その事実が、給料や残業代の未払いであれば誰でもはっきりと会社側が悪いことがわかりますが、労働条件の変更や配置転換やハラスメント等では会社側がはっきりと悪いことを証明するのは難しいと思います。この場合は、会社側がやってきた事実をきちんと記録しておき、できるだけ早い段階から面談による労働相談をして専門的指導を受けながら行動していく必要があります。こうしていく事で、会社と闘うためのステップを次々と進めていくことができます。また労働相談では、闘いの方針・目標を定めておかなければいけません。そしてその方針・目標に沿うように専門的な指導が行われていくことになります。

 しかし闘うという事は戦争と同じ事であり、お互いの攻撃により戦況が変化していくため、目標通りの成果を得られる可能性は低くなります。そのために目標は常に闘いの中で随時妥協点を見いだし、柔軟に変更できるようにしなければいけません。そして何よりも大事なことは、金銭的・精神的ダメージをできるだけ抑えて、闘いの後の生活に支障がでないようにすることです。

 要するに、悪質な会社との闘いで致命傷を負うことは絶対に避けなければいけない、ということです。今現在、会社から不当な扱いを受けており、それを「絶対に許せない!」「何とかしたい!」と考えている方は、面談による労働相談をしてください。

 相談する前に、特に専門的な知識を勉強する必要はありません。専門的知識や実践的ノウハウはユニオンにあります。ですので、あなたが抱えている問題をできるだけ早くユニオンに相談し、専門的説明を聞き、闘うための方針・目標を定め、専門的指導を受け、問題を解決するために前進していってください。

 ただ私のように面談による労働相談をしても、闘えない事案なのに、間違った知識による思い込みが強すぎたために、説明を理解しようとせず、「あうだ!」「こうだ!」と右往左往しないように気をつけてください。

 面談による労働相談では、基本的に以下の三点は必ず持参すべきだと思います。

●雇用契約書
●給料明細書
●就業規則

 この三点以外については、会社と争うことになる事案の書類又はその写しが必要です。

 例えば、解雇であれば「解雇通知書・解雇理由証明書」残業代の請求では、「タイムカードの写し又はそれに準ずるもの」そして労働条件の変更や配置転換・ハラスメントの事案の場合は、違法であることを証明しにくいため、面談による相談の前に大まかな予備知識を持っておいた方がユニオンでの説明が理解でき、私のようにならないですむと思います。

 そのための大まかな予備知識を上げてみますと…会社と闘うという事は、争いになっている問題を法的権利で捉え、法的な争いに置き換えなければいけない、ということになります。ということは会社がやってきた事実が違法である事を証明できなければいけない、ということになります。そこでその違法性を判断するのに一番直接的で確認しやすい方法が、会社の権利行使が濫用になっていないか調べるのが良いと思うのです。

 労働条件の変更や配置転換・ハラスメントの問題で会社がやってくる具体的な事実は、「降格・降級・賃金引き下げ・人事異動・退職勧奨(強要)・長時間労働」などがあります。これは要するに会社が人事権、懲戒権、解雇権、配置転換命令権といった権利を行使してきた事ですから、これが濫用になっていないか調べればよいという事になります。

 権利濫用については労働契約法に定められていますが、その権利が濫用となるかについては判例から判断するための基準項目が決まっています。例えば、配転命令について考えてみますと、その権利濫用の判断基準の項目毎に調べていけば良いということになります。

 その基準項目の内容を上げてみますと…

●業務上の必要性があるか
●不当な動機・目的があるのではないか
●労働者への不利益の度合いが大き過ぎないか
●人選の基準に合理性があるか
●手続きや労働者への説明がきちんと行われているか
●育児介護休業法に則った配慮がなされているか

 こういった点に関して会社とのやり取りを記録しながら確かめていけば、会社の違法性を問える事になり、闘うための準備に繋がると思いますまたこれをもう少しわかりやすくしてみますと…【業務上の必要性】と【労働者への不利益】(不当な動機・目的等を含む)

 この2つを見比べて、労働者への不利益の度合いが大きすぎれば権利濫用となる、ということです。業務上の必要性は、企業の合理的運営に寄与する点があれば広く認められているようですが、労働者に生活上の不利益がある場合は、企業側は何らかの、「代償措置」や「負担軽減措置」等を講じていなければ権利濫用となる可能性が高くなるようです。

 会社の違法性を確認するのにこの権利濫用の判断基準は有効だと思います。
(また会社が配転命令を出す根拠があるのかを確かめておく必要があります。これについては、「労働契約書・就業規則」を確認すればわかります)しかしハラスメントの場合は、かなり難しくなってくると思います

 パワハラの場合はパワハラ行為の違法性と会社の管理責任(労働契約法の安全配慮義務)を問う必要があります。そのためには、ユニオンの専門的指導を早い段階から受けながら、パワハラ行為が繰り返されている事を記録し、更には精神的ショックを受けたら随時医師の診察を受けていくようにしなければいけません。

 そして会社の責任を明確にするために、人事権や配転命令等の権利を濫用してくるまで待ったり、或いはパワハラ行為が退職強要になるまで待つ必要があります。また長時間の労働を強いる場合は、その時間や実態を記録していく必要があります。そしてその後に、精神的ダメージがあるはずですから医師から診断書を出してもらって労災を申請しておく必要があります。とにかくパワハラについては徹底的に会社の責任を追及していくことが重要だと思います

 最後に私自身の問題でもあったモラルハラスメントについてですが、モラハラはパワハラと同じで直接取り締まる法律がありません。しかもモラハラはパワハラのように民法の不法行為等に当てはめる事ができないのです。ですから単なるモラハラレベルでは法的争いができないということになります。どうしても闘いたい場合は、モラハラをエスカレートさせて、或いはエスカレートしてくるまで待って、「パワハラ」として闘うしかありません。しかしエスカレートしない場合が多いと思います。

 このように法的争いができない場合、これはブラック企業の若者が潰されている問題にも当てはまると思うのですが、一般的な考え方として、労働者の権利である「辞める自由」を選ぶということです。辞める自由を選ぶということは、悪質な会社にいても待遇は良くならない上に、精神的ダメージも受け続ける事になりますから、ダメージが少ないうちに見切りをつける…という考え方です。

 もう少し細かい言い方をすれば、働いている会社がブラック会社とわかったとしても、法的に闘えない場合、又は法的に闘いたくない場合は、精神的ダメージが酷くならない内に早く見切りをつけて退職し、被害を最小限に抑え、日常生活に支障がないようにし、再就職活動に力を注げるようにするという事です。

 しかしブラック会社とわかっていて、敢えて働く、という考え方もあると思います。この場合は何か特定の目的を持って限定的に働くか、又は何らかの対抗手段を持っているという事だと思いますが、常にダメージの度合いが酷くならないように気をつけなければいけないと思います。

 とにかく、どのような問題にしても、最初の面談でロスの無いように相談して方針を決め、ユニオンの専門的指導を受けて、闘うためのステップを一段づつ上がっていけるようにし、準備体制を整えていく事が勝利的問題解決に繋がる早道だと思います。
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