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能力を口実にした賃下げについて!

 賃下げが行われる場合は主に5つのパターンがあるようです。
(1)人事考課で降格・降級する時
(2)配置転換(職種変更)する時
(3)懲戒処分する時
(4)企業が深刻な業績不振に陥っている時
(5)新たな人事制度・賃金制度を導入する時

 労働条件の不利益変更や配置転換は、労働者の生活に大きな影響を与えるものであり、それに加えて賃金の引き下げも伴う場合は更に影響が大きくなります。しかし、雇用契約で最も重要な項目の一つである「賃金」については、使用者が恣意的・独断的に給料や手当てを引き下げることは法律上許されていません。ですから、特定の労働者だけの賃下げを行うのは、企業がその労働者を自主退職に追い込むための手口であり、また企業がその態度を表明してきた…と考えるべきだと思います。

 企業側が賃下げをする時は上記の(1)~(5)に示している様に、会社が人事権や裁量権(配転命令)や懲戒権といった権利行使を利用して行ってきます。ということは、賃下げの違法性を判断するには、権利濫用の判断基準を確認しておく必要があります。

 権利が濫用となるかどうかの簡単な考え方は、【業務上の必要性】や【労働者の不利益の度合い+不当な動機・目的の有無】を比較考慮し、労働者の不利益が大き過ぎれば権利が濫用となります。業務上の必要性について見てみますと、企業が降格・降級・配転(職種変更.遠隔地等)をするためには客観的・合理的な理由が存在しているはずです。

 ですから降格・降級については、その判断基準を明示してもらい、それが客観的.合理的なものではないことを証明し、しかも恣意的に操作できるものであることも確かめる必要があります。例えば、成績評価制度による成績不良を理由とする降格・降級については、その制度の矛盾点を突いていく必要があります。一つの成績評価制度では、ある一点の項目だけに注目して順位付けしています。例えば、営業職であれば「売上額」だけに注目して評価制度を設けている場合があります。

 これは明らかに矛盾しています。
その矛盾点は、評価対象者全員の条件が平等ではないということです。これを他のことに置き換えてみるとよくわかると思います。例えば、自動車レースでサーキット一周のタイムを競う場合を考えてみればよくわかると思います。この場合の成績評価制度の基準は、サーキット一周のタイムの速さです。

 ところが、ある対象者にはF1マシンを与えられ、他の人はスポーツカーであったり、普通の乗用車であったり、軽自動車であったり、トラックであったり、色々であったとしたらどうでしょうか?これは明らかにF1マシンを与えられた人が圧倒的に早いタイムになります。このことからわかるように、ある一つの成績評価基準を設定しても、対象者全員が同じ条件にしなければ意味の無いものになってしまいます。

 要するに、営業職で単に売上額だけを競うのであれば、会社から大口の得意先を与えられている方が有利になり、会社から何の得意先も与えられていない方は不利になってしまうということです。ですから、どの様な成績評価制度を活用するにしても、対象者全員が平等な条件にしなければ意味の無いものになってしまいます。もし条件が平等でなければ、ハンディキャップを十分考慮した成績評価でなければならないと思います。

 このように成績評価制度の評価基準に矛盾点があり、客観的・合理的な理由がなければ降格や降級は業務上の必要性が無いことになります。

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