問 私は近く60歳の定年退職を迎えます。私が働いている会社は退職金を減額したり、支払わない場合があるという話をよく聞きます。退職金をめぐりどのような争いがあるのか?私は今後どのような点を注意すれば退職金を満額貰えるのか、必要な対応を教えてください。
答 退職金をめぐる労働相談が増えています。その内容は以下の4点にまとめられます。
(1)退職前に営業に配置転換し、クレームがあり会社に損失を与えたと言って退職金を相殺して減額する例。
(2)些細な口実で減給し、その数が月後に顧客からクレームがあった。反省していないとして懲戒解雇する。退職届を出せば退職金を半額支給すると言う例。。
(3)就業規則では退職金規程があるのに、社長が突然「退職金はない」と言い始めた例。
(4)55歳を過ぎてから賃下げを続け、同時に退職勧奨を行う。自己退職になると退職金は半額となる例。
これらが退職金を減額したり、支払わなくする手口である。つまり退職金の減額や支払い拒否には、減給処分や、顧客のクレームがあったとして損害賠償や退職金との相殺、退職勧奨や解雇問題が付随しているのが特徴です。
つまり定年前の労働者が会社から不当に減給にされたり、顧客からクレームがあったとか、会社に損失を出した、などと言われたら信頼できるユニオンにすぐ加入しておくべきでしょう。
退職金請求権が認められるには根拠となる就業規則や労働協約や労働契約書や退職金規程が必要です。これらの開示を求めるか、もしくは定年で退職した先輩から入手すべきです。
退職金の性格は、賃金の後払い的性格と功労報償的性格を合わせ持っています。この性格から会社に損害を与えたとか、顧客からのクレームや処分、また自己退職などで退職金を減給できるように就業規則や退職金規程で定めている例が多いのです。
退職金の減額や不支給を会社が言い出したら、すぐ信頼できるユニオンに加入し、指導を受けながら対応するのが重要なことです。特に会社が定年前に退職勧奨を始めた場合はユニオンの指導なしには雇用を守り、定年まで働き、かつ65歳まで雇用延長を守らせることは難しいでしょう。
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