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解雇の金銭解決の制度は資本主義にとって有害だ!

 安倍政権の規制改革会議は3月25日、裁判で「不当解雇」が認められた原告労働者に被告企業がお金を払えば退職させることが出来る「金銭解決」の制度について導入を検討するよう提言した。彼らの理屈は「解雇裁判で勝っても会社との信頼関係が崩れて職場復帰が困難なため」というものだが、これはおかしい。

 解雇裁判で勝っても被告会社が復帰した労働者を配置転換したり、隔離部屋に閉じ込めたり。嫌がらせを続け、結果再び裁判沙汰になることが問題なのである。裁判所の判決を企業がないがしろにし、原職復帰とは給料さえ払えばどう扱ってもいい、という態度に問題がある。改善すべきはこの点である。

 解雇の金銭解決制度が導入されると、戦後労働組合制度の根幹である不当労働行為制度に風穴があく事を指摘しておかねばならない。労働組合を弱体化するため労組の中心人物を解雇し、裁判で負けてもはした金を支払えば辞めさせることが出来るなら、労組の家畜化が一層進み、結果労働条件の劣悪化が進み、日本経済のデフレが一層深刻化するであろう。

 安倍政権は企業側の利益を考慮して解雇の金銭解決の制度を導入しようとしているのであるが、そのことの持つ法律的激変について理解できていない。企業が気に入らない労働者を、お金を支払えば辞めさせられるなら、憲法で保障された労働基本権は空洞化する。つまり安倍政権が進めている解雇の金銭解決の制度は憲法違反の可能性がある。

 少なくともGHQの戦後労働改革で目指した強い労組による個人消費の継続的拡大をテコにした国民経済の高成長の政策意図を破壊することに理解が及んでいないことが問題なのである。個別企業の目先の利益を優先するあまり、国民経済にとってマイナスとなるデフレ要因を増やすのであるから安倍政権の政策的視野の狭隘さを問題にしなければならない。

 同じ事が安倍政権の進める派遣法の自由化、残業代ゼロ法案などの一連の規制緩和政策にも共通する。国民経済を発展させるには企業家の目先の利益を拡大することが重要なのではなく、資本主義の経済を拡大再生産の軌道にのせる為に、継続的な個人消費の拡大が必要であり、その為には強い労働組合が必要であり、最低賃金や同一労働同一賃金などの社会的規制が不可欠なのである。

 ところが安倍政権の政策検討機関(=産業競争力会議などの諮問機関)は経営者の目先の利益を追い求める間違った政策ばかり検討している。愚かというしかない。

 日本経済がデフレによる失われた20年を招いたのが規制緩和路線に原因があることを指摘しなければならない。解雇の金銭解決や残業代ゼロ法案の目指すところは解雇の自由化であり、無制限の長時間労働である。これは労働者を奴隷の地位に落とし込むものであり、日本はこのままでは低賃金の中進国に転落することは避けられない。

 日本国を統治する政治家と官僚達支配層は個別企業の目先の利益ではなく、国民経済の発展・成長をこそ目標にすべきである。労働者は国家を疲弊させる労働分野の規制緩和に断固反対しなければならない。とりわけ我々は解雇の金銭解決と解雇の自由化を断じて許すわけにはいかない。
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