私は在京のオーディオメーカーのエンジニアです。
今年1月下旬、いきなりweb上で100人の希望退職を募ると発表があり私はアメリカへ出張中だったので、同僚からこのニュースをききました。
対象者は平成26年12月31日現在、対象会社に在籍し以下のいずれかに該当する者で
1 45歳以上かつ勤続2年以上の管理職
2 40歳以上かつ勤続2年以上の総合職一般社員
3 40歳以上かつ勤続2年以上の有期雇用社員
退職金は12か月分。
私は入社14年目の54歳なので、この対象に入っていました。
会社からの説明会があり、再就職支援が悪名高いパソナにアウトソースしていました。
私はパソナのことはWeb上で非合法組織と関連があり、麻薬に手を出す社長秘書もいたことから、全く信用していませんでした。
そんな中で、1回目の面談に臨みました。これは対象者が全員面談するという物で、私は特に警戒していませんでした。この時、確かに会社に世話になった事。英語、中国語を会話できるようになった環境に対しての謝意を話しました。また、家族との生活、老後の事、この年齢での再就職が困難なことを考え、退職する意思のないことも伝えました。この面談では働けるならどこで勤務してもいいとも思っていたし、そういう内容の発言もしました。ここからが、すべての始まりだったのです。
2回目の面談が設定され、この2回目の面談の前に新世紀ユニオンの門戸をたたいたのでした。委員長の話では、「解雇したらどうだ」と言ったら良いとの指導でしたが、これは最初正直違和感を感じていました。解雇=クビという大きな問題に直面した経験が無かったためです。しかし、2回目の面談で退職勧奨に入っていることを確信したため、これは自分の生活を守るなら、戦うしかないを確信した面談でもありました。内容はパソナへの見学のすすめ、会社業績の悪化に伴う退職勧奨、だったのです。
「会社のために辞めてくれないか?」「勤務地はどこになるかわからない可能性がある」と上司はしきりに可能性の話をするようになりました。持ち帰りの案件もあったため、3回目の面談が設定されました。
3回目の面談では完全に拒否。退職意思のないことを伝え、また、会社業績の不振の責任をなぜ私に取らせるのかを正しました。上司は回答できませんでした。また、辞めさせる人のリストの有無をただしたところ、「辞めてほしくない人のリストはある」などと、詭弁を使い、あきれてしまいました。どうやら、私は辞めさせたいリストに入っているようでした。
この3回目の面談で私は強硬に出るようにしました。と言うのは、会社業績の責任を私に負わされるいわれはない。しきりに退職強要とも取れる発言を繰り返すからです。
私は面談の意図、すなわち希望退職に対する意思確認の面談であることを何度も確認し、上司の回答は「そうだ」との回答していました。にもかかわらず、しきりに「転勤の可能性」「降格の可能性」「職種変更の可能性」「賃金の変更」と処遇にかんする可能性の話しかしません。
これは委員長からの助言あったように、「可能性」の話をしても仕方がない事だし、転勤、降格、賃金変更は労働事案であり、別案件という事を聞いていたので、労働事案を希望退職意思確認とは別事案であることを上司に伝えました。
また、希望退職拒否を理由に労働案件をリンクすることもおかしいと思ったのですが、「リンクしてもらわなければならない」とのことなので、私は「もし、報復人事を行うなら相応の措置を取る」と言いました。上司は「措置とは何か。私の考える常識的な人事措置とは何か」と逆に聞いてきました。私は「措置は具体的には言えない。私の考える常識的な人事措置は裁判所が判断することだ」と提訴も辞さない旨伝えました。
また、明らかにこの面談は退職強要にあたると確信しました。上司が持ち帰りの案件ができたので、4回目の面談を設定され、一度は拒否しましたが、業務命令を盾に拒否することはできない旨つたえられ、しかたが無いので4回目の面談に応じました。
私の態度が一貫しているので、突っ込むところもなくなり、これ以上の面談は文書で申し入れするよう通告しました。また、短期間における4回もの面談は強要にあたるとも通告しました。ここで、上司はしきりに拒否にたいするリスクは説明し終わったと言って、5回目以降の面談は設定されませんでした。
その後、「部長付」というわけのわからないポストに就かされ、今日に至っています。さらに3月2日から3月12日までが希望退職募集期間でしたが何もありませんでした。
部長付になったので、上司に業務内容を聞くと、現在私が行っているすべての業務を後輩、同僚に引き継ぎを行う事で仕事の取り上げが始まりました。
しかし、取り上げようとしたものの、急な案件で周囲が忙しくなり、仕事が回らなくなって、結局私が部長判断のもと、手伝いすることになりました。
周囲の後輩、同僚は私の事をありがたがってくれていました。電気回路の設計をしていますので、これまでの培った私のノウハウや経験に基づくことを後輩に教えていくとも後輩たちに言いました。
結局、会社は仕事を取り上げようとしても仕事がありすぎて困っている。仕事を干そうとしても干せない。面談で私の仕事はここにないといいながら、大量にある。
そんな矛盾を抱えたままで、さらに転勤を伴う異動を画策しているようです。また、あとでわかったのですが、この募集期間中10回以上、1日に3回以上執拗に面談を繰り返されたもの、精神的に追い詰められ、退職届をだしてしまった者がいたようです。
私は新世紀ユニオンの門をたたいて、自分の本当に置かれている立場、権利、法で保護されているという事、このような状況になると闘うしか生活を守れないということを再確認しました。
自分ではある程度わかっていたつもりでも委員長からの指導で目を覚まされたこと。理不尽な要求はきっぱり断ることなど大事なことをこの2か月学びました。
退職勧奨が始まったら会社は敵だという事を身をもって体験しました。いらぬ仏心はつけ込まれるだけです。
スポンサーサイト