問 私は勤続15年で49歳の男性です。会社が希望退職募集を発表しました、条件は退職金に1年分が加算されます。現在対象となった人に重役の面談が行われています。私は中途入社であるため一番にリストアップされ、現在面談は5回行っています。会社は経理状況も発表していませんが、私が知るところでは黒字経営です。
面談では退職を拒否すると、「あなたのする仕事がない、退職を拒否するとペナルティがありますよ」「希望退職を拒否すると遠隔地配転や出向があるかもしれません」と半ば脅迫で、私は精神的に参っています。人選の基準を聞いても「40歳以上だ」としかいいません。5回の面談は全て録音しています。
5回目の面談では「パソナに連絡しろ」と言われました。パソナでは転職支援室なるものがあって転職先探しを支援してくれるそうです。
私はパソナに連絡しませんでしたが、そのことで上司に「業務命令違反だ」と言われました。何人かが希望退職に応じ退職を申入れたところ「あなたは会社に必要なのでリストに入っていない」と拒否されたそうです。
私は家庭の事情で今は失業するわけにいかず困っています。なんとか今の会社で働き続けたいと思っています。
答 退職勧奨が正当性を認められるのは以下の要件を満たしている必要があります。
(1) 会社が経営上雇用調整の必要性が認められること。
(2) 組合もしくは本人と十分意見交換すること。
(3) 退職勧奨対象者を選定するための合理的基準を設けること。
(4) その基準を公平に提供して人選すること。
(5) 退職勧奨が節度をたもっていること。
(6) 退職を希望しないことを持って不利益な取り扱いをしないこと。
(7) 女性であることのみを理由にした差別的取り扱いをしないこと。
相談者の内容では雇用調整の必要性を説明していないこと、人選の合理的基準が不明であること、退職希望者の退職を認めていないこと、退職を希望しないことで不利益な取り扱いを脅しにしていることなどから退職勧奨の節度が守られているとは言えないので、違法な退職強要と言えます。
パソナには連絡しない方がいいです。連絡すると転職先探しを申入れたことになり、退職の意志を示した事になる可能性があります。
面談は「希望退職の意志を確認する」という名分で行われています。あなたは既に5回も退職の意志がないことを表明していますから、6回目の面談は不必要なのでその旨有印の書面に書き、社長あて送っておく(コピーを取っておく)ことが重要です。
相談者の場合、退職上積み金が12カ月ですが、世間で行われている希望退職の退職上積み金の相場は30カ月です。あまりにも少ないようです。これでは転職先探しに1年以上かかる現在ではリスクが大きく、退職を希望できないのは当然です。きっぱりと断り、新世紀ユニオンに加入して次の不利益取り扱いと闘う決意をするべきでしょう。
スポンサーサイト