自民党の若手議員による勉強会「文化芸術懇話会」で沖縄の2紙を潰さなければいけない、として経団連に圧力をかけ広告を規制するなど報道機関への圧力を強める発言がなされた問題は、まさしく安倍政権の体質をあらわしている。
靖国参拝や歴史見直し発言で韓国や中国を挑発し、反日世論を高めさせ利用し、これに反発する国民世論を右傾化させ、マスコミの報道をたえず批判し、圧力を加え、報道を自分たちの有利なようにコントロールしてきた。安倍政権のマスコミへの圧力は度々これまでも報じられてきた。しかしそれが特定の新聞社を「潰さねばならない」との発言は、権力の奢りで有り、言論の自由へのあからさまな挑戦と言うべきである。
言論の多様性が民主主義では当然で、重要であるし、権力を監視するマスコミの役割を理解せず、政府批判をしているから潰すというのはいかにも右翼的発想、反民主主義的である。自民党は昨年の衆院選の時もテレビ各局に圧力を加える文書を出したり、4月にはテレビ局幹部を事情聴取したりしている。言論の自由・報道の自由も保証しないファッショ的体質がうかがえるのである。
安倍政権の言論統制の体質は中国や韓国と本質上変わらないと言える。「安倍さんを応援する会だ」という自民党青年局の勉強会「文化芸術懇話会」が、こうした反動的体質を露呈して安倍政権のひいきの引き倒しのようなことになっている。元々安倍政権は陰謀的でやり方が汚いので、今回のことが発覚しても、「やはり」と思う人が多いのである。
現在対米従属の戦争法案をめぐり、国会の会期を3カ月以上も延長するなどしているのに、その戦争法案と報道統制がセットではないかと国民に勘繰られても仕方がない。報道の自由を奪う発言を公然と論議するなど自民党の右翼的体質は驕り・暴走ともいえるレベルに達していると言わねばならない。
安倍政権が国家機密法を真っ先に制定したことを見ても、その反動的体質は明らかであり、こうした体質は改められるべきであり、改められないのであるなら対米従属の戦争法案は撤回すべきであろう。こともあろうに中国や韓国の「日本軍国主義」批判の正しさを自ら立証するようなことはあってはならないことであり、自民党が木原青年局長を更迭する方針を固めたというのも当然である。
安倍政権が最も注意すべきは身内の驕りであり、その反動的体質である。今回の報道の自由を奪うかの発言は彼らの本音であり、それ故に深刻な事態なのである。憲法違反の集団的自衛権の戦争法案をこのような反動的政権に許せば、結果として日本を亡国へと導くことになるであろう。安倍政権は対米従属の戦争法案を直ちに撤回すべきである。
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