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安倍首相の対ロシア外交にアメリカが疑心!

 安倍首相がプーチンロシア大統領の訪日を求める意向を示した事について、アメリカ国務省のハーフ副報道官は5月20日「反対する理由はない」と述べたが、その2日後ラッセル米国務次官補は「我々はロシアに平常通りの対応はしていない。日本政府も現状ではこの原則を守ってくれると思う」と述べ日本の対ロシア外交をけん制した。ケリ―国務長官も日本政府が「アメリカの政策を取り違えているとは思わない」とけん制した。

 日本は中国覇権主義の尖閣諸島など日本の南西諸島への侵略に直面して、自衛隊の防衛主要正面を北海道から南西諸島へと移している。日本には中国とロシアの2正面戦略をとる軍事的余裕はなく、いかにアメリカがウクライナ問題が重要と言っても、ロシアを中国側に押しやるオバマ外交は支持できないのである。

 アメリカはウクライナのネオナチ勢力にテコ入れし、クーデターを起こさせ、ウクライナ政府をしてNATO加盟へと動かすことでロシアのプーチンを地政学に目覚めさせ、クリミア併合とウクライナ東部の親ロシア戦力への支援を導き出した。EUがロシアの決意にうろたえ、アメリカに同調して対ロシア経済制裁に踏み切ったのは失敗である。

 アメリカは、EUが東欧をユーロ経済圏に引き込み、対ロ貿易もアメリカの対ロ貿易の10倍にまで拡大し、そのユーロ経済圏拡大がドル経済圏にとって脅威となってきたので、ウクライナ問題に火を付け、ユーロ経済圏の東への拡大を阻止したのである。アメリカは当初ロシアを普通の資本主義にできると考えていたが、実際には旧社会主義国は、国家資本主義にしかならなかったのである。

 しかも現在のロシアはエネルギー輸出国に過ぎず、中国覇権主義のような野心は存在しない。ただ旧ソ連圏を全てNATO加盟へと導くアメリカのやり方に怒りを持っているだけである。アメリカの戦略的意図は、ロシアの封じ込めにあるのではなく、EU経済圏からの分断にある。ユーロ経済圏が大きくなるのは希望しないということであり、同時にロシアの大国化も阻止したいのである。

 EUがアメリカの意図に気づき、中国のアジアインフラ投資銀行に参加を決定したことは、アメリカにすれば裏切り行為なのである。このような中で安倍首相がサミットでロシアとの話し合いを続ける意思を表明したので、アメリカは当初「反対する理由はない」と言いながら、直後にプーチン訪日に反対をにおわせたのは、日本が対ロシア関係を正常化してシベリアの資源とロシア市場を手に入れることで対米自立を考えていると、EUに裏切られたオバマに疑心が出てきたのである。

 EUの東への拡大と中国の台頭で世界が多極化しつつある中で、アメリカの覇権が危機にさらされアメリカが財政危機で、軍事介入を回避せざるを得ない中で、集団的自衛権でアメリカの戦略に協力を申し出ている対米従属派の安倍でさえ、アメリカは疑心の目で見なければならない点に、アメリカの衰退が表れている。

 安倍首相がアメリカの反対を押し切って対ロシア外交を前進させられるかどうか世界が注目している。日露関係が改善すれば日本経済は成長し、安倍政権は長期政権となるであろう。
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