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本人申立の労働審判を経験した私の感想

 私は、ある○○機器販売会社に7年弱勤め、4月に「本人申立ての労働審判」を行い、3回の審判を経て7月に会社と和解致しました。
「申立て趣旨」として以下の2項目について争いました。
(1)賃金減給による2年間の未払い賃金
(2)一方的賃金減給の撤回

 審判の結果は私の申立趣旨とは違った和解内容となりましたが、相手方が退職することでの和解を望んだので、解決金の金額も高いレベルにあり和解することに致しました。

 「第3者に口外しない」という和解条項がある為、詳しく紹介できませんが、今、理不尽な環境で働いておられる組合員のみなさんの今後の闘いの参考事例になればと思い、私が経験した感想を書きます。それと、今回会社との闘いの中で全面的に指導して頂いた委員長をはじめ、団体交渉に参加して頂いた組合員の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。大変ありがとうございました。

 私が勤めていた会社は○○機器販売会社で、地方に営業所を有している中小企業である。典型的なオーナー企業であり社長が1代で築いてきたからか、社長=法律という思考が強く、意にそぐわない者には厳しく、一方的賃下げは当たり前の事、退職に追い込まれた社員もいました。社員の賃金は社長が個人ごとに決定し、直属の上司であっても部下の賃金は知らされず、当時の私の上司も知らないと答えていました。

 私は、営業社員としてある機器の販売に従事する為入社しました。入社から約2年後に一回目の減給があり理由を聞きに面談を申し込み説明を受けた。減給理由は「営業成績不振により減給を行った」である。社長に同意していない旨の異議を申立てたが撤回はされなかった。異議を申立てた事でこのままでは済まないであろうと、後々のことを考え、証拠集めを始めました。

 一回目の減給から約14ヵ月後に営業○課は会社の都合により廃止され、今後の処遇は各人と相談しながら決定するとの書面での通達もあったがその後数ヶ月間は放置され続け、配転になったのが廃止後半年はたっていたように思う。

 その後すぐ平成24年8月に二回目の減給があり(入社4年後)
社長に説明を受けた。理由は前回と大きくは変わらず、「個人の業績の低迷と私からの報告の中に飛躍的に大きく伸びる見込みが無いため減給にしている」である。減給について事前に聞いていなかった事、減給に同意していない事を社長に伝え異議を申立てたが撤回はされなかった。

 上記のように、減給の根拠となる就業規則、賃金規定の開示は無く、すべて口頭のみの説明で結果だけを伝えられ、異議を申立ててもすべて社長の一存で決まってしまうこの理不尽な環境で今後、どのようにこの問題を解決すればいいのか、解決は出来るのか、泣き寝入りして新天地を探すのか等、色んな事を考えている時に新世紀ユニオンの存在を知り、会社と対決することを決め新世紀ユニオン加入しました。

 その後は委員長の指導の下、雇用の維持を一番に考え更なる警戒感と一層の証拠収集を行い、来るべき日の為に備えるよう行動をしました。

 それから約2年間は大きな動きも無く、委員長と相談をしながら時期とタイミングを見計いつつ平成26年11月に、「賃下げの件」として社長に再度、賃下げに同意出来ない旨を伝え、理由について改めて文面で渡してもらえるよう書面を提出した。しかし、社長からの返事は1ヵ月たってもなく、再度面談を申し込み確認したが、「営業実績対経費比較」なる資料を渡されたのみで口頭での説明はほとんどありませんでした。

 平成27年1月 ユニオンとして正式に団体交渉を申し入れ、その月の終わりに団体交渉が行われた。会社側3人(総務主任。社労士、助手)、ユニオン側は計5名であった。

 ところが会社側は決済権のある会社側代表者は出席せず、総務主任が一人出ただけで、団体交渉を取り仕切ったのは社労士でした。我々は団体交渉前に就業規則と賃金規程の開示を求めましたが開示されず、交渉の場で開示を求めるとコピー1枚を欺瞞的に渡されただけで会社側はそれも回収した。会社側は賃下げについての合理的な理由を説明できず団体交渉は入り口でストップした。この不当労働行為のため、団交は継続出来ませんでした。

 しかし、委員長と私はこのまま終わらせるつもりはなかったので「本人申立の労働審判」を申立てることを決意しました。委員長の全面的バックアップのおかげで、書面作成で援助を頂き申立書を作成しました。また、早い段階で証拠を集めていたので、会社側の問題点の整理と証拠を多数提出することができました。

 平成27年4月に裁判所へ申立書を提出し、5月に第1回目の審判がありました。まず、裁判官より双方から提出された証拠類の確認が行われます。次に、申立内容の確認があり審判員3名から双方に質問をされます。お互い別々に離席し、和解の意思確認と条件のヒヤリング及び審判員からの意見がありました。3回で審判を出すため、質問以外の答弁は、原則許されません。

 実はこの時に裁判官から以外な発言がありました。一通り証拠類の確認が行われた後、相手方が離席し、和解の意思確認と条件のヒヤリングをする際に、裁判官の第一声が「退職前提でここに来たのではないのか」と言うものでした。私は驚き、雇用の維持を一番に考えてると答えましたが、裁判官は不思議そうな面持ちで私の発言をメモしていました。審判委員会から暫定的な金額算定の考え方と金額の提示がなされたが、私は不満として希望を述べ、次回に持ち越しとなりました。

 2回目も双方から提出された追加資料の確認と質問があり、お互い別々に離席し、和解の意思確認と条件のヒヤリング及び審判員からの意見がありました。2回目からはほぼ解決金についての話で、相手方から提示された額は審判委員会が提示した額より低い数字で、とうてい受け入れがたいものでした。しかも裁判官からはこの額で納得し和解するか、審判委員会の新しい提案を次回までに検討し答えを出すようにと言うものでした。私はその提案を委員長に話し、家族とも検討して方向性を決める事を伝えました。

 3回目は、和解条件の最終確認です。結果は、2回目に審判委員会から提案された条件で和解しました。金額はこちらが希望した金額に近い数字だったので合意しました。審判の結果は私の申立趣旨とは違った和解内容となりましたが、委員長と相談し臨機応変に対応した結果
労働審判での事案としては高いレベルでの勝利的和解であったと思います。

 これまでの長い道のりで何度も挫けそうになりながら今日まで来られたのは、委員長はもとより、ユニオンの組合員の皆様がいたから乗り越える事が出来たと思っています。

 会合で体験談を伺い、自分ごとのように考えて下さる会員の皆様の存在は労動審判を闘っていく上で心の支えになりました。

 最後に、ブラック企業と闘うには絶対に諦めない強い気持ちと、地道に証拠集めをしたうえで、ユニオンにはあったことを正確に伝え、指示を仰ぎ、行動する事が最善の道だと思います。
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