新世紀ユニオン発行のニュース

新世紀ユニオン2015年度運動総括 (案)

(1) 2015度世界情勢の特徴について

 アメリカはオバマ政権の下でいまも「息継ぎの和平」の局面にある。アメリカはイランの核開発の挑戦、ロシアのプーチンの地政学目覚めとウクライナでの挑戦、さらには東シナ海と南シナ海での中国拡張主義の軍事的挑戦にも関わらず、無策の非介入主義を貫いている。

 オバマはウクライナのクーデターを画策し、クリミア半島とウクライナ東部でのロシアの民族主義的介入を契機に、対ロシア経済制裁でEUの東への経済圏拡大を阻止した。中東でのアメリカの非介入主義は中東(=シリア・イラク等)を宗派争い、内戦の坩堝に変え、武器市場に変えた。アメリカの同盟国は多大な打撃をこうむった。サウジは反米に転じ原油価格の低落でアメリカの原油企業(=シェールガス企業)への市場戦争を仕掛けている。イスラエルはイランの核の脅威に直面している。

 アジア諸国はいずれも拡張主義中国の軍事的脅威に直面し、半島国家の韓国は中国にすり寄り、「フィンランド化」しつつある。アジアにおけるアメリカの影響力は著しく減退し、アジア諸国は対中国貿易の拡大でアメリカのアジア重視のリバランス戦略が実は中身がなにもなく、強腰の中国に対しオバマ政権の弱腰がアメリカの安全保障への疑心を呼び起こしている。

 オバマ政権下のアメリカは来年大統領選を迎える、既に予備選が始まっておりオバマ政権はレイムダック化の時期に入っている。こうした時期に安倍政権は集団的自衛権の憲法解釈を変え、戦争法を強行採決した。アメリカは日本の自衛隊の戦力を自己の衰退する覇権の維持に活用しょうとしている。

 世界は中国のバブル崩壊とともに世界同時恐慌の危機に直面している。アフリカと中東の政治・軍事的混乱は世界中で5000万人を超える難民を生みだし、その一部が大挙して宗主国の欧州やアメリカを目指している。世界の覇権を握るアメリカの経済的衰退が、荒れる世界市場をさらに混乱に導いている。

 世界はアメリカ・欧州・ロシア・中国の4つの主要国に多極化しつつある。世界の経済的混乱・政治的混乱を収めるべき大国のアメリカが非介入主義をとっていることで、来年新しい大統領が選ばれるまで世界は多極化と混乱を深めていくことは避けられない。世界は戦争の時代へと突き進んでいるように見える。

 中国は既に社会帝国主義に転化し、大規模な軍事力増強を進め、アメリカに「新型の大国間係」を提案して世界覇権のアメリカとの分有を提案するまでに、その野心を膨らませている。中国経済はその所有関係に規定されて価値法則は貫徹せず、その内的脆弱性は外への凶暴性として暴走する可能性は強い。何れ古い帝国主義のアメリカと新興の帝国主義の中国は軍事的衝突を必然としている。

 我々労働者はこうした荒れる世界市場の中で、経済的危機はたえず労働者へのリストラ攻撃として発現し、労働者は団結して雇用を守り、同時に平和を守る闘いを自己の階級的使命としなければならない時代を迎えている。

(2) 2015年度国内情勢の特徴について

 アベノミクスとは円安誘導で輸出企業に為替差益の莫大な利益をもたらし、年金資金を株式市場に投入することで株価を吊り上げ資本家階級に巨大な不労所得をもたらした。同時に安倍政権は派遣法の改悪を行い労働者の非正規化をさらに推進した。

 また国論が2分する中での戦争法の強行採決は、日本が戦後70年間堅持してきた平和主義の放棄を意味しており、アメリカの進める日米の軍事一体化の一環であることを指摘しなければならない。戦争は政治の延長であり、憲法の9条があろうとなかろうと戦争は引き起こされる。アメリカは産軍複合体の国であり、戦争が経済的潤いをもたらす国家であること、そのアメリカに従属する日本は自立しない限りアメリカの戦争に巻き込まれる諸関係にある。

 日本経済は既に多くの企業が世界中に進出しており、日本企業はこれら海外権益を守らねばならない。すなわち日本企業の多国籍企業化が自衛隊の海外派兵を必要としている経済的動機である。日本経済は世界市場に進出したことでより侵略的な要素を強めていると言ってよい。

 安倍首相は、靖国参拝と歴史教科書の改ざんで中国と韓国を挑発し、これら2国の「反日」運動が日本の世論を右傾化させ、安倍政権はこの右翼バネで政権に返り咲いた。経済的要素の侵略性と隣国中国・韓国の領土問題での軍事挑発が安倍右翼政権を支えていると言ってもよい。

 こうして日本はアメリカとの支配従属関係の下で戦争路線に舵を切ったのである。オバマがロシアを無理やり中国側に追いやった結果、日本は2正面に敵を作られ安全保障上の危機に直面している。これが安倍政権の戦争法となって作用したことは疑いないことである。

 この戦争路線は日本の労働者に一層厳しい試練をもたらすことになる。内に抑圧・外に侵略の軍国主義は、労働者により厳しいリストラ攻撃と若者に流血の戦場への道を強いることになる。ほかならぬ日本の支配者となったアメリカ軍(=GHQ)の「戦後労働改革」は、強い労組を誘導することで軍国主義の復活に備え、日本経済の復興を誘導した。いまアメリカが自分の都合で日本の戦争体制の整備を進めていることを見て取らねばならない。

 思えば日本の企業内労組の「連合」への囲い込みは、労組の家畜化に他ならず、日本の労働者が階級的力を失い、その結果としての賃下げと長時間労働がもたらしたものは、縮小する個人消費の下でのデフレ経済に他ならなかった。国内市場の縮小再生産は日本資本主義の外への侵略性を著しく強めたのである。

 こうして日本は従属国として、アメリカの覇権の維持のためと日本資本主義の侵略性の両面から、対米従属の下での戦争への道へ突入し始めたのである。

 戦後労働改革が目指した強い労組を作ることで軍国主義を阻止するという政治意図はもはや崩れ去った。新しい労組(=ユニオン)に反戦平和の任務が付け加わったと言える。しかしユニオンは未だ成長途上であり、日本の平和主義を堅持するには家畜労組が労働組合の本来の階級的使命を取り戻すことが非常に重要となる。

 戦争法の成立は、日本の労働運動が労働者の反戦平和の闘いを自己の政治的使命としなければならない時代にさしかかっていることを強く印象づけその自覚と決意を促している。
 
(3) 新世紀ユニオン2015年度活動総括

 新世紀ユニオンは未だ小さな組織であるが、その政治活動面ではネット上での政治的暴露という言論戦を展開して労働者階級を政治的に高め、その階級的自覚を高めることに大きな貢献を果たしてきた。

 労働組合が、「連合」という上層連合で「家畜労組」へと囲い込まれ、階級的発言力を失った下では、新世紀ユニオンが組織的には小さくとも日本の労働者の中で先進的役割を政治・理論面で果たしていることは労働者の中で一定の評価を得るまでになった。労働者の上層が家畜化しても、下層の労働者は階級的自覚を高めており、闘う労組を求めていることが新世紀ユニオンの活動を通じてますます明らかとなってきたと言える。

 新世紀ユニオンは昨年「ブラック企業対策研究会」を開催し、本年度はブラック企業との闘いに活動の重点を置いて多くの実践を重ねてきた。

 本年度(昨年秋以降)の闘いの内成果を上げた特徴的な例を分析すると(1)裁判・労働審判で高額の解決金を勝ち取った例では会社側に支払い能力があり、闘いが巧く行った例(2)相手方企業が新世紀ユニオンの宣伝力を恐れ労働協約を締結して早期に解決した例、(3)ブラック企業相手に請求が少額なので、審判の本人申立で和解に持ち込んだ例など3つに分けることができる。

 組合員は既に御存じの通り、ブラック企業の違法行為を反省させるにはできるだけ高額の解決金を取る必要がある。つまり勝利的和解に持ち込むことがブラック企業には一番打撃となることなのである。解決金の額が、労働者の賃金の額・会社の支払い能力・労働者の勤続の年数・証拠がそろった勝利的和解か?それとも敗北的和解か?等によって解決金の金額が決まる。

 勝利的和解で40カ月分以上の解決金で和解した例、会社に支払い能力があり、かつ証拠がそろっていて弁護士がびっくりする高額で、労働審判の本人申立で和解した例、賃下げ事案で高額で解決した例と、低額で終わった例、新世紀ユニオンの委員長のブログが効果を挙げて、早期に解決した例など教訓をいくつかに分類できる。

 ブラック企業との教訓は豊富にあるがここで詳しく書くとブラック企業が悪用する恐れがあるので詳しくは書かない。(詳しくは大会の場で説明する。)一般的に言えることはブラック企業への闘う決意があるか、ユニオンの指導どうりに実践できるか、証拠が事前に準備できているか、等が勝敗に影響を与えることになる。

 ブラック企業との闘いで共通するのは違法行為の背後に悪徳社労士が介在していることである。であるので相手企業の対応はある程度読むことができる。違法行為を行っている企業は裁判や審判では不利にならざるを得ない。従って相場以上の解決金が獲得できる。

 残業代を支払わない。違法な賃下げを繰り返す。有休を支給しない。などのブラック企業の特徴は就業規則を開示しない、タイムカードを開示しない、タイムカードを改ざんする、賃金を違法に相殺する、などの違法な例が共通する。またこうしたブラック企業はユニオンに社労士と交渉したがるのも特徴である。

 ところで社労士は弁護士のように代理人となり交渉することが法律的にできない。ところが団体交渉に会社幹部が誰一人出ず、社労士が団体交渉を取り仕切る例が多く見られる。この場合の社労士は弁護士法違反であり、違法なやり方で労使交渉を決裂に持ち込むことを狙いとしている。

 新世紀ユニオンではこのような社労士が出てきた場合は懲戒請求することにしている。大阪は悪徳社労士が全国一多く、従ってブラック企業も全国一多い。また顧問弁護士が付いているのに違法行為をやりまくる企業もある。こうした状況下では悪徳社労士や弁護士の違法行為を野放しにしない事が必要であり、関係団体(大阪社労士会や大阪弁護士会)の自浄能力が必要となっている。

 新世紀ユニオンの現時点の課題として、裁判所で和解が成立しているのに相手方企業が解決金の支払いを行わない例が時々あることは見過ごしにできない。元組合員を裏切り会社に個人資料など情報を渡した東大阪の労組「働く仲間の会」とその委員長に対する慰謝料請求訴訟は完全勝訴したが、被告側が自供し、判決が確定したにも関わらず慰謝料を支払わない。

 このような場合、今後今以上に宣伝を強化し解決金や慰謝料を踏み倒した事を徹底的に宣伝し、世間に恥をかかせ、社会的制裁を加えなければならない。

 新世紀ユニオンの組合員は本年度の闘い、自分の闘いを総括し、教訓を導き出し、次の闘いの糧にしなければならない。自分たち一人一人の闘いは日本の労働者階級の闘い全体の一部であり、その教訓は労働者階級全体の財産にしなければならないことを自覚して、自分の闘いが終わったからもういい、としてユニオンの活動に参加しない個人主義の傾向を克服しなければならない。

 労働者は闘いの実践から正反両面の教訓を導き出して、それを文章化し、多くの労働者の参考にしてもらうことで階級的な義務を果たすことが求められている。この面が弱いのが日本の労働運動の克服すべき弱点であり、新世紀ユニオンは総括運動を多くの労働者に活用して貰うべく議案書など、ニュースの内容は全て公開する事にしている。

 そのようにしなければ日本の労働運動の戦術レベルを上げることはできず。労働者の労働条件の向上も、雇用を守る力量も高くならないからである。実践からいかに多くの教訓を導きだせるかは、その組織の階級的責任感を示すものであり、我々はそれを新世紀ユニオンの誇りとしている。より多くの組合員の総括運動への参加を期待したい。
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