新世紀ユニオン発行のニュース

新世紀ユニオン2016年度運動方針(案)

(1) 情勢の特徴点

 世界資本主義は依然として消費不況の中で、財政出動の結果である財政危機を深めている。この危機は旧ソ連が崩壊後、先進諸国が企業の高利潤経営を追求した「強欲の資本主義」の結果なのである。社会主義と資本主義の対立の時代には、制御された搾取が、冷戦の崩壊で野蛮な搾取となり、その結果各国内の分配の不均衡を拡大し、国民経済の均衡を崩し、多国籍企業は大儲けしたが労働者の生活は悪化し、労働条件はより劣悪化した。

 そうした中で資本主義の不均等発展で中国やインドやブラジルなどの経済が発展した。しかしこうした新興国の経済は中国のバブル崩壊で資源価格が暴落し、経済危機と停滞の局面を迎えている。世界経済の停滞傾向は中東やアフリカの宗派対立や部族対立を激化させ、内戦と騒乱の事態を拡大している。世界中で5000万人の難民が発生し、豊かな難民の欧米への非難が津波のように襲っている。

 世界経済はTPPのドル圏、欧州のユーロ圏、中国の元圏など経済のブロック化が進行している。経済のブロック化が世界市場を分断し、発展途上国の騒乱が一層世界市場を狭隘化している。資源と市場の囲い込みが中国の「アジアインフラ投資銀行」の設立で一層激化するであろう。

 日本の大企業は世界市場に進出し、世界各地にその経済権益を拡大している。日本企業の海外での活動の拡大に伴い、また世界情勢のカオス化(=混沌化)が進む中で、アルジェリアでのゲリラの攻撃対象に日本人がなる等の出来事が増えてくることになる。つまり日本企業の多国籍化で日本は侵略性を著しく高めていることを見ておかねばならない。

 つまり日本経済が侵略性を強め、世界覇権を握るアメリカが「息継ぎの和平」の局面で非介入主義を取っていることが、安倍政権が「戦争法」制定に突き進む経済的・政治的動機なのである。こうして日本における反戦・平和の闘いが労働運動の重要な課題として浮上しているのある。

 戦争法制定に反対して日本の若者が立ちあがったことは、大衆運動の面で画期的出来事であり、我々はこの若者の闘いに労働戦線から連帯していかねばならない。日本の労働運動は企業内労組が資本に飼いならされ、家畜化している中で、少しでも労働戦線における反戦・平和の闘いを広げていかねばならない。リストラとの闘いの中で新世紀ユニオンは戦術面で先進的役割を切り開いてきたが、反戦平和の闘いへの宣伝戦をより強化していかねばならない。

 安倍政権は、公明党を戦争体制への支柱とし、集団的自衛権の憲法解釈を閣議決定で変え、「戦争法」を強行採決するなど、強権的な手法をとっており、国論の分裂の中での右翼的政治傾向に、労働者はより警戒しなければならない。

 アメリカの世界覇権は揺らいでおり、中国拡張主義はアメリカのオバマに「新型の大国間係」を提案し、世界を米中で分割支配することを提案するまでに侵略的傾向を示している。中国は既に社会帝国主義に成長しており、世界で一番の侵略勢力となっている。何れアメリカと中国拡張主義は覇権をめぐり軍事的対立に突き進むことは避けられない。

 日本は対米自立し、米中の戦争に巻き込まれないようにしなければならない。日本は戦後70年間堅持した平和主義を守るべきであり、同時に中国拡張主義の侵略に備えなければならない。もはや「非武装・中立」等と言う観念的平和主義が通じる時代ではない。日本は自立・武装で平和主義を貫くべきなのである。

 安倍政権の対米従属政治は、日本を「アメリカの番犬国家」にする亡国路線であり、我々はこれに断固反対していく。新世紀ユニオンはあくまでも対米自立・武装による専守防衛の平和主義を掲げて宣伝戦を強化しなければならない。

 世界資本主義は強欲の資本主義から決別する時が来た。そうしなければ、経済のブロック化は次第に軍事ブロックへと進むであろう。世界は戦争の時代に突き進んでいるように見える。日本の労働者は平和ボケを一日も早く克服しなければならない。内に抑圧・外に侵略という政治局面に日本が立たされていることは疑いないことであり、来年には消費税が10%に増税される。その財源は法人税減税と軍事力増強に使われる。労働者階級への搾取と収奪はより強化される。

 日本の労働者は新しい労組に結集して労働条件と雇用を守るために闘わねば生きていけない時代が来ている。新世紀ユニオンはこうした情勢認識の下で、以下に示す「運動の基本方針」と「具体的な方針」を提起する。

(2) 運動の基本方向

<イ>我々は安倍右翼政権の進める「戦争法」制定に続く戦争路線に断固反対していく。また野党間に高まりつつある戦争法廃止の国民連合政権構想を断固支持する。安倍政権は武器輸出を解禁し、日本経済の軍事化を進めつつある。我々は戦争路線を背景とした経済の軍事化に反対し、日本が戦後の大原則である平和主義を堅持するよう、反戦平和の闘いを進めていかねばならない。

 日本が、アメリカの戦争路線に参加することを意味する安倍政権の「軍事的貢献」は対米従属の戦争路線であり、日本がアメリカの戦争・戦略に巻き込まれる「亡国の道」である。日本が平和主義を貫くには対米自立しかないことを広く宣伝していかねばならない。憲法9条は対米従属条項であり、一部の野党が陥っている「9条は日本の宝」とする法的観念論は、日本侵略を画策している中国拡張主義を利するものであり、日本の国民が早急に克服するべき認識上の課題である。

 世界経済がブロック化の道をたどりつつある時、安倍政権の集団的自衛権は経済のブロック化が軍事ブロック化することであり、世界資本主義が資源と市場の囲い込みのために、戦争への道を促すことになる。日本は第2次世界大戦の教訓を忘れるべきではなく、どのような軍事ブロックにも参加すべきではない。新世紀ユニオンは、日本が平和主義を堅持していくよう宣伝戦を強化していかねばならない。
 
<ロ>我々は日本企業が社会的役割を忘れ、利益第一の拝金思想に取りつかれた強欲の資本主義に反対する。大企業と一握りの金持ちだけが巧い汁を吸う「大ブルジョア独裁」が、日本社会を格差社会にし、社会的弱者が踏みつけにされる理不尽な社会とした。来年春には消費税が10%に増税され、合わせて法人税減税が画策されている。我々はこうした格差拡大の政策に反対し、社会的弱者を思いやる民主的で平等な社会の実現のために活動していかねばならない。

 昨年度の大企業の内部留保は約354兆円となった。大企業と大金持ちだけが肥え太る、配分の不平等は日本社会を歪め、格差を拡大して、国民の活力さえ奪うほどに不平等が拡大している。強欲の資本主義が行き過ぎれば個人消費を縮小させ、国民経済を疲弊させ、日本は2流国へと転落しつつある。新世紀ユニオンは強欲の資本主義に反対し宣伝活動を強化していかねばならない。

<ハ>我々は、格差社会の中であらゆる弱者の側に立って格差と差別に反対し闘う。女性や青年を使い捨てにする非正規雇用の廃止のために闘う。「男女同一労働・同一賃金」の原則を罰則付きの強制法として制定するよう求めていく。
 在日の人達やあらゆる外国人労働者への国籍差別に反対する。とりわけ在日の人達へのヘイトスピーチの民族排外主義に断固反対する。職場でのあらゆる国籍差別とパワハラに反対し闘わねばならない。

<ニ>我々は、安倍政権の進める労働分野の規制緩和に引き続き反対する。残業代ゼロ法案や解雇の金銭解決は、戦後の労働改革の骨を抜くに等しく、労働基準法の8時間労働制を破壊し、労働組合法の不当労働行為を廃止するに等しい改悪であり、労働法制の反動的改悪と言えるものである。

 政治が合法的労働運動の枠を狭める行為は、民主主義を守るためにも断じて許してはいけない。同時に新世紀ユニオンは労働組合が企業の手先として行う裏切りに反対し、これと闘う。家畜労組の裏切りを暴露するとともに、個人加入ユニオンの裏切りとも闘い、労組に対する労働者大衆の信頼回復に努めねばならない。

<ホ>我々は、温暖化問題を重視して発電の自然エネルギーへの転換を求める。TPP参加による日本農業の破壊に反対し、食糧の自給率を高めていくよう求める。林業を「緑のダム」を育て、守る役割と位置付けて、補助金による林業の再生で治山・治水の強化を求めていく。日本農業と農民を守り、地方の地場産業と中小企業を守り、国民経済を守るため貿易の自由化に反対する。

<へ>新世紀ユニオンは引き続き社会的貢献活動として無料電話労働相談を続ける。労働者のリストラに反対し、精神的暴力であるパワハラと闘い、違法な残業代に不払いや、様々な賃金窃盗に反対して闘う。違法な解雇と退職強要に反対し裁判・労動審判・大衆闘争・宣伝戦を闘う。

<ト>新世紀ユニオンは、日本の労働運動を発展させる立場から引き続き言論活動を強化する。とりわけ雇用を守る闘いの戦術レベルを高めるため理論と実践、再実践と再総括の認識運動を展開する。労働運動の理論と実践の面で先進的役割を果たしていかねばならない。

 以上の2016年度の運動の基本方向を実践するため以下に、新世紀ユニオンの具体的方針を定める事とする。
 
(3) 具体的な方針(案)

1. リストラに反対し雇用を守る闘いを中心に闘う。 リストラ無料相談を引き続き実施する。
2. 職場のパワハラとの闘い、ブラック企業の違法行為と闘う。
3. 労組の裏切りに反対し、労組の信頼回復に努める。
4. 解雇の金銭解決制度の導入に反対し、残業代ゼロ法案に反対する。
5. TPP参加に反対し、日本農業と農民を守り食糧自給率を高めるよう求める。
6. 日本の自立と平和のための運動を進める。日本とロシアの平和友好条約の締結。
7. 欧米の介入によるシリアの内戦化反対。中東の宗派争いによる武器市場化に反対する。
8. 中国の地域覇権主義に反対する。中国人民の民主化運動と土地取り上げ反対の闘争を支持する。
9. 日米同盟の強化に反対し、米軍と自衛隊の一体化=集団的自衛権に反対する。
10. 戦争法の廃止を求め、自衛隊の海外派兵に反対する。
11. 武器輸出に反対する。軍需産業化による経済の軍事化に反対していく。
12. 戦争動員のための愛国教育反対。「日の丸」「君が代」の押し付け反対。
13. 日本の民間資金を奪い取るカジノ解禁に反対していく。
14. 消費税増税に反対する。また法人税減税に反対する。災害の無い国作りを求めていく。
15. 改悪した派遣法の再改正を求めていく。残業代ゼロ法案と解雇の金銭解決に反対する。
16. 非正規労働の原則禁止。男女同一労働・同一賃金の法制化を求めていく。
17. ハラスメント防止法の制定と人権教育の強化を求めていく。
18. 公益通報者保護法の罰則強化を求めていく。
19. 格差社会の解消を求め、強欲の資本主義に反対する。
20. マイナンバー制度による国民の管理・支配の強化に反対していく。
21. 原発の即時安全装置の設置と自然エネルギーへの転換を求めていく。
22. 労働者への違法解雇等への懲罰的慰謝料を認めよう求めていく。
23. ホームページとブログを充実して、労働者への権利の拡大のために尽くす。
24. ユニオン・ニュースの充実と投稿の活発化を図る。
25. 組合員の宣伝・拡大活動・団体交渉・学習会等への積極的参加をうながしていく。
26. 組合員は労働者階級の先進的役割を果たす為、常に学習し自己を高めていく。
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