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裁判では実態が形式よりも優先されます!


 Y大学の詐欺的手法について、重要で他の労働者にも関係する(=普遍的)問題を含んでいるので改めて書く事にしました。

 Y大学では労働者と個別に労働契約書を交わしています。その契約書には「この契約は契約期間満了又は本大学任期制職員就業規則に違反した場合を持って終了する。」となっていますが、この契約に署名する時点で肝心の就業規則は先生たちに開示されていません。(これは非常に重要な点です)

 ですから多くの先生たちが自分は「大学の任期に関する法律」に定められた任期制だと思いこみます。事実多くの先生たちが任期制の規則が見たいとの意思を表明していました。ところがY大学はこの質問を無視していました。後に任期制職員就業規則が開示されましたが、そこには任期制職員の定義について「雇用期間に定めのある職員」と規定されています。

 つまりY大学は「任期制職員」を法律の規定と先生たちが勘違いすることを見越したうえで、「任期制」という表現で「期間雇用契約」を言い換えているのです。つまりこの大学における「任期制職員」は期間契約職員あるいは期間契約のパートを言い変えたものなのです。つまり形式は任期制職員であるが、実態は期間契約職員あるいは期間契約のパート(=非正規雇用)であるということです。

 これが、私は任期制なのか?それともパートなのか?という先生たちの質問に、大学が答えられなかった理由です。詐欺師がその本質を見抜かれそうになったときダンマリを決め込むのとそっくりなのです。雇用契約が期間契約であるならそのように表示すべきで、何も紛らわしい任期制の言葉を使い、その定義を開示していない就業規則で定めてある、というのは明らかに悪意のある言葉のマジックです。

 このような大学で解雇もしくは雇止めされると、地位確認の裁判を闘うことになります。この場合確認する地位は、本来の「大学の任期に関する法律」の任期制に基づく地位か?それとも「期間雇用契約」あるいは「期間契約のパート」の地位確認か?という疑問が出てきます。

 任期に関する法律は、任期更新の条件を定めることを規定しています。つまり論文の数等を定め、それを達成していれば任期を更新するように規定しています。ところがY大学では任期の条件が定められていないだけでなく、「論文は書かなくてよい」と大学幹部が言っているので、Y大学は任期制を勘違いしているように見えるが、就業規則を見れば、実際には法律上の任期制を偽装して、契約社員の事を「任期制」と呼んでいるだけです。これは詐欺師の手口です。

 日本の裁判では実態が形式より優先されます。契約書が「委託契約」になっていても、実態が雇用契約なら、たとえ書面が「委託契約の解約」であっても実態は解雇です。従って雇用契約の解雇事案として労働裁判が行われます。それと同じで契約が任期制に基づく雇止めに偽装されていても、実態通り期間契約のパートの地位確認(すなわち雇止め前と同じ実態的地位の回復を求める)裁判になります。

 そうなると「期間雇用のパート」(=非正規労働者)の教授や准教授の地位を、お金を出して裁判までして守る価値があるのか?という疑問が出てきます。Y大学開校後1年余りで十数人もの先生たちが逃げるように退職したことがこの事案の本質を示しています。詐欺師のような大学から逃げ出すのは沈む船からネズミが逃げ出すのと同じなのです。誰もそれを非難できません。

 こうしてY大学の先生たちは究極の選択に直面しています。非正規の地位を普通の大学の先生たちの地位にするため詐欺師と闘うか?それとも逃げ出すか?と言う選択です。日本の労働裁判はたとえ騙した事案でも「現状回復主義」です。本来あるべき地位を確認するものではないのです。この問題は多くの事案で普遍的に労働者がぶつかる問題なのです。
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