フランスの同時多発テロに続いて、今度はベルギーで同時テロが起きた。テロは欧州だけではない、トルコでもイラクやシリアやリビアや中国などでも起きている。この事態を作りだしたのは実はアメリカなのである。
アメリカの産軍複合体は、冷戦が終わり世界の武器市場が3分の1に減少して危機に陥った。彼らはこの事態を新たな支払い能力のある武器市場を作り出すことで切り抜けようとした。御承知のように金が有り余っているのは中東の産油国である。オイルマネーの還流のために中東を動乱の坩堝に変えることを画策したのが欧米の軍需産業とその政府なのである。
このような情勢の下ではパレスチナに和平が訪れるわけがなく、イラク戦争やアフガン侵略、さらには「アラブの春」の動乱で、イラクやリビアやシリアの独裁政権の打倒が進められ、その事が押さえこまれていた宗派争いを解き放ち激化させることになった。イスラム圏の動乱の拡大は、人民を絶望的状況に追い込み、奴隷制時代の古代イスラム教=イスラム原理主義勢力を戦闘化し、拡大することになった。
しかし中東が巨大な武器市場となったことで、また中国拡張主義の台頭で世界の武器市場は冷戦期の50%以上にまで回復したのである。おかげで欧米の死の商人たちの武器市場が笑いが止まらないほどの活況を呈している。その反面泥沼の内戦化でシリア等から多くの難民が欧州に押し寄せ、この中に「イスラム国」の戦闘員が紛れ込み、世界中にテロが拡大することになった。
また見ておくべきは、先進諸国の冷戦後の強欲の資本主義の結果、格差社会が限界まで拡大し、貧困化した若者たちが「イスラム国」等への共感を持ち、参戦し始めたことである。
事態は冷戦後の強欲の資本主義の政策が生み出した事なのである。すなわち世界は冷戦後の強欲の資本主義が分配の不平等を拡大し、人為的に武器市場を生み出す政策と野蛮な搾取が生み出した事態なのである。その全責任はグローバリズムを推し進めたアメリカに責任がある。
アメリカの1極支配は、今や内向き大統領の不介入主義で事態は混とん化し、テロの拡大を押しとどめることができない事態を生みだしている。
世界が多極化へと移行することは誰も押しとどめることは出来ないように見える。世界的経済危機と内戦の広がり、宗派争いは、確かに中東を武器市場に変えたが、世界は今その付け(=反作用)を難民とテロの拡大という形で受け取る事となった。
テロの拡大が民族排外主義を拡大し、いつか見た世界大戦の道に進みつつあることに警鐘を鳴らさねばならない。
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