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安倍のロシア外交の政治的背景と狙い!

 尖閣諸島で中国の軍事挑発が激化している時、オバマ大統領は「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と語った。しかもオバマはウクライナのクーデターを画策し、ロシアにクリミア半島の併合のチャンスを与えた。その後の対ロ制裁は、日本にとってロシアを中国の側に追いやる無責任な対応となった。

 安倍首相はアメリカの対ロシア制裁の呼びかけにも関わらず、形だけのものにし、ロシアに配慮している。安倍の対ロシア関係重視は中国社会帝国主義の凶暴性を自覚していること、アメリカが不介入主義であるにも関わらず、ロシアを中国の側に追いやり、日本の安全保障を危機に追いやったことが背景にある。

 安倍は中国が、内的脆弱性を外への侵略で切り抜けようとしており、その標的が日本であることは中国国内での気違いじみた「抗日」イデオロギー注入を見れば明らかだ。日本がアメリカの支援が見込めない下で中国・ロシアの2正面戦略は取れないことから、安倍はオバマ米大統領の反対にも関わらず、一貫してロシアのプーチン政権に友好的姿勢を堅持してきた。

 安倍首相のこの対ロシア外交重視は、アメリカの大統領にトランプがなることを想定しているように見える。クリントンはサンダース候補への支持者が若者層であり、この票が大統領本選でトランプに流れる可能性もあり得る。トランプが代議員数でトップに立てば共和党執行部もこれを支持せざるを得ない。もしトランプ以外を候補にすれば、トランプは無所属で本選に立候補する可能性があり、その結果はクリントンが勝つ。トランプが共和党の候補になれば共和党は大統領選に勝つ可能性がある。安倍首相は米大統領選をこのように見ているようである。トランプはロシア外交を重視する考えを持っている。

 新党大地の鈴木宗雄が安倍と手を握ったのは、首相の対ロシア外交に踏み込む決意を理解したからである。米民主党のクリントンは大統領選挙の資金を中国からえており、言わば中国派である。日本にとってトランプの方が安全保障上有利であることは明らかだ。

 ロシアは欧米の対ロシア制裁と原油価格の低迷で経済は最悪である。日本は原発が停止している中でロシアの天然ガスが欲しい、その代価は日本経済にとって工業製品の支払い能力ある市場になる。アメリカのオバマがいかに「慎重な対応」を求めても日ロ双方が互いを必要としている。これはオバマも止められない。

 ましてやプーチン大統領が北方領土問題を「引き分けで」解決することを公言しているのだから、安倍は2島返還での領土問題解決のチャンスなのである。ロシアを中国から引き離すことで日本の防衛は初めて可能になる。アメリカがアジアから引き揚げる可能性が強まっている中で、日本は対米自立し、自分の力で防衛しなければならない。その為にはロシアを引き寄せ、中国との間にくさびを打ち込み、中国軍の侵攻に備えなければならない。

 安倍のアメリカに依存した集団的自衛権は、アメリカをあてにできないリスクがあり、単独防衛の可能性が強まる中では、安倍首相には対ロシア外交が戦略課題となる。つまり安倍は集団的自衛権の安保法制でアメリカをつなぎとめつつ、対ロシア外交に動き始めたと言ってよい。

 安倍首相の対ロシア外交は、欧州の対ウクライナ外交の失敗を意味する。欧州もまた対ロシア外交を転換する可能性が強まっている。巨大なロシアの資源と市場を欧州は日本にくれてやるほどバカではない。世界中が外交で動き始めるであろう。多極化の時代は合従連衡の時代なのである。レイムダック化したオバマがこれを阻止できるか? 注目される点である。
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